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弊社が創業当初に鉄板等の自在な切断用として設計・製作したCNC制御水プラズマ切断機です。
CNCプラズマ切断とは
プラズマ切断とは、トーチ電極と切断ワークとの間でアーク放電を発生させアシストガス(圧縮空気、酸素ガス、窒素ガス、アルゴン等)をプラズマジェット化させてワークを溶断する切断方式です。1950年代に開発され、主に造船や大型構造物などの効率的な切断には勿論、ハンディタイプの手動切断機に至るまで現在の主要な金属切断法の一つとなっております。CNCプラズマ切断とは、簡単に言えばプラズマ切断トーチをコンピューター数値制御により、CADソフトによってデザインした通りに自由自在に高精度な切断が可能となる切断法です。
CNCプラズマ切断機製作のきっかけ
創業当初、私は金属を効率的に切断する術を持ち合わせておりませんでした。製品のプロトタイプデザインが出来上がったとしても、試作の部材が手に入るまで最低でも数日、物やタイミングによっては1週間以上かかるのは容易に想像できました。
そんなことでは、試作段階で相当な期間が必要となってしまう。商機を逃しかねません。また、思いついたアイデアを即形にしたいのです。1日でさえ待っていられない案件もあります。
そうなれば、もう自社で切断するしかありません。その思いから自社独自開発のNCプラズマ切断機の製作が始まりました。
何故プラズマ切断なのか
現在の金属切断といえばほとんどの方がレーザーを第一に思い浮かべるのではないでしょうか。
ビーム半径が小さいため非常に高精細であり、薄板においては非常に切断スピードが速いのです。また、アクリルや木材といった非金属素材の切断も可能でありオールマイティな使い方が出来るといえます。
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ただ、レーザーにも欠点があります。まず新品としての導入費用が相当高額であること。周辺機器の購入も必要であり、相応の設置スペースが必要。未だ主流に近いCO2レーザーでは、所要電力の約9割は廃熱やロスとして消えてしまいます。プラズマ切断には不要であるレーザーガスというものが別途必要であり、希少なヘリウムガスが多く添加されていることからそれだけでも高額なのです。
切断についても、銅など切断できない材種や切断に向かないものもあります。
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また、発振器や光軸などの構造が複雑であるため保守管理にも高度な技術、時間や費用が掛かります。
かたやプラズマ切断は電源とアシストエアーがあればどこでも切断することが出来ます。現在ではインバータIGBTといった省電力、100Vでも使用可能なコンパクトなタイプも出回っており、DIYでも普及しているほどです。特段大掛かりな保守管理は不要であり、消耗品はトーチノズルや電極、といった小手先の交換で長期間運用が可能です。初期投資・ランニングコストは雲泥の差でしょう。
実際現在では弊社もレーザーを導入しておりますが、高精細な加工が必要である場合や対象が非金属であるときなど棲み分けしております。
CNCプラズマ切断での薄板低歪み切断
プラズマ切断の欠点の一つとして薄板における切断歪みが生じることがあります。また切断裏面にはドロスが発生するため、その除去も工程として加味しなくてはなりません。歪みを極限まで減らし、ドロスの除去作業を少しでも楽にするため、弊社では水テーブル上で切断する方式を採用しました。水テーブル切断には他にもメリットがあり、特に粉塵・騒音の低減に大きな効果を発揮します。
水テーブルの場合、テーブル端面とトーチ駆動軸との精度が出ている場合、THC(トーチ高さ制御装置)を付加しなくても十分な薄板切断が可能です。
現在の弊社CNCプラズマ切断機の概要
約4年ほど前に製作、初期型として運用を開始しました。
当時はTHC(トーチ高さ制御)は無く、初期タッチ(リミットスイッチ)検出による高さ制御でした。その為切断テーブルの平行度に注意する必要がありました。
また制御装置はパソコンを採用し、フリーソフトで動作しておりました。制御は勿論、機構まで未熟な物でしたが、日々試作品や製品を切断しながら特に薄板の高精細水プラズマ切断の条件出しを煮詰めて参りました。
また、同時に機構等についても細かな部分で改造・改良を施し、フレームこそ当時のままですが、現在も現役であり、低コストなプラズマ切断機のプロトタイプとして日々研究・改良を積み重ねております。
現在制御装置をPCから専用NC装置へ一新し飛躍的に性能が向上しました。
JWCADやAUTOCADなどで描かれたDXFデータを専用CAMソフトへ読み込み、3×6尺材のネスティングを行い完成したNCデータをUSB等でコントロールユニットへインポートすることで
あとは板厚、オフセット量、ピアスの詳細設定を行いスタートボタンを押せば自動で切断が開始されます。
ネスティングの各素材の配置、組み合わせで70%を超える定尺板の製品化が可能となります。
弊社では、ソロキャンプ用小型薪ストーブの素材生産においてプラズマ切断機が大きな力を発揮しております。
タイプ | 360クラス |
切板寸法 | 3×6(910×1820) |
テーブル寸法 | 1100×2100 |
トーチ | ストレートタイプ垂直切断 |
制御方法 | 専用NC装置。THC(トーチ高さ制御)付き |
駆動方式 | XYZ三軸ガントリー型ベルトドライブ |
加工速度 | 1~8000mm/min |
早送り速度 | 4500~12000mm/min |
切断板厚 | 使用する切断電源の能力によります。弊社80Aタイプ0.2t~12t |
集塵 | ウォーターテーブル |
切断面の比較


目的とコストバランスに合った機種選定
切断する素材の材質、板厚、形状、精度、数量、またそれらの各切断頻度。また、切断したものを各種加工を施し自社ですべて完結する製品になるのか、または切断のみを業務とするのか、トライ&エラーの試作品開発で必要になる場合など。
弊社の場合、使用目的はレーザーほどの精度を必要としない試作品の製作用や、自社製品の部品用として結果、レーザー加工機より使用頻度の高い機械となりました。
導入コスト・ランニングコストを圧倒的に低減することが出来、結果として十分に利益を上げつつ、お客様へお求めやすい商品価格を提示することが出来ております。
上記をお読みになり、レーザー加工機に興味がある方はこちら
今後の予定
現在弊社CNCプラズマ切断機は実際に商品を切断しながらデータ取集・実証や耐久試験を続けています。
工作機械として今までにない圧倒的な効率化・ユーザーフレンドリー・タフ・低価格なものをお客様にお届けしたいと考えております。


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